双撃のブックマーク

個人的なブックマークです。

今日買った本「貧乏サヴァラン」(森茉莉) 筑摩書房 230円

今日たまたま入った古本屋で選んだ文庫本が、この「貧乏サヴァラン」という本である。著者の'モリマリ'って、今風の女性エッセイストなのか?って思ってたら、文豪森鴎外の娘だという。既に30年ほど前に亡くなっている。「サヴァラン」というのはフランスの焼き菓子だが、ブリア・サヴァランは食通で有名なフランスの法律家政治家で、この本の題はそっちを指しているらしい。フランス革命からナポレオンの執政政府の時代というフランスの激動の時代を生きながら、「美味礼賛」(食通の生理学)などという享楽的な本を残している。かなりのスノッブだったのだろう。それと自分を重ねて書いているのだから、この森茉莉なる人物もかなりの高等遊民だったのだと思う。まぁ、フツーならそんな本買わない。(現代的な問題を扱った新書か没後20周年の星野道夫の本でも買ってたと思う) でも、なんか目新しい刺激が欲しくて目についた本がこの本だったという訳だ。考えてみればたった260円でそういう本が(あるいはそういう世界が)手に入るなんて安いもんだ。ちよっとしばらく、これから電車の中でその本に浸ってみよう。

  本の内容とは全然関係ないけど、古本触って思うのは、本が雑に扱えるっていい。新しい本は気分のいいモノだが、それは新品の「モノ」としてであって、本としてではない。頁を折ったり、雑に持ったり、必要なら何かカキコんだり古本なら何でもありだ。それが私の「読書熱」を高めてくれる。そういうことは前からわかっていたはずなんだが、なんで今頃意識するようになったんだろう?あの古本屋のおかげかな?